東京の家族信託・相続専門 改正相続法 配偶者居住権その1
この度の新型コロナウイルスに感染された方並びにご家族の皆様に心より御見舞い申し上げます。
2019年1月13日から約40年ぶりの相続法が改正され、2020年4月1日は「配偶者居住権」が新設されました。
「配偶者居住権」は、今回の相続法の改正・新設の仲で一番の目玉になっていたため、施行前から雑誌に取り上げられてました。
新型コロナウイルスの影響がなければ、4月1日以降数々の番組で取り上げられてたはずです。
私個人的な意見では、今回の相続法の改正・新設の中で配偶者居住権は目玉とは思ってませんが、施行前の雑誌等の影響もあり、一般の方も配偶者居住権については結構詳しく知ってます。
実際配偶者居住権についての問い合わせも多いです。
そこで気づいたことは、配偶者居住権について間違った情報や、情報不足な方が多いなと感じました。
それは当然のことです。配偶者居住権は新設です。私達専門家も公布されてから実務としてどう使えるのか時間をかけて勉強してます。
実際お客様から「配偶者居住権があることで残された配偶者は保護されるから何も相続対策をしなくても大丈夫なんですよね。」と相談を受けたときは、これはマズイと思いました。
確かに、配偶者居住権は残された配偶者を保護するために新設された法律ですが、配偶者居住権を使うためには条件があります。
お客様の詳しい内容を聞いてみると、配偶者居住権が使えるご自宅ではありませんでした。
事前に分かった良かったです。
今回は配偶者居住権の内容等を2回に分けてわかりやすく解説していきます。
(1)配偶者居住権とは
配偶者が相続開始の時に被相続人の所有していた建物に居住していた場合に、その建物全部について無償で住むことができる権利です。
(2)配偶者居住権が認められる条件
・被相続人が配偶者の居住する建物を相続開始の時に所有してたこと。
注意が必要なのは、被相続人と第三者が共有していた場合は配偶者居住権は成立しません。
配偶者と共有の場合は認められます。
(3)配偶者居住権の取得方法
配偶者居住権は以下の方法で取得することができます。
①遺言
被相続人が生前に遺言書で配偶者に配偶者居住権を取得させる内容を書くことによって取得させることができます。
②遺産分割
遺言がない場合の遺産相続は、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。その際に全員が合意することによって配偶者は配偶者居住権を取得することができます。
遺産分割協議でまとまらない場合は、調停によるもののはか、審判によっても取得できます。
(4)配偶者居住権の存続期間
配偶者居住権の期間は遺言・遺産分割協議・調停・審判において自由に定めることができます。
期間の定めがない場合は存続期間は配偶者の終身となります。
ここまでが基本内容となってます。
次回は配偶者居住権の注意点を解説していきます。